結婚式ご祝儀袋の正しい書き方｜筆ペンと表書き名前中袋の整え方

いざ本番が近づくと、ご祝儀袋の書き方に不安が出てきます。例えば次のような悩みはありませんか。

• 「寿」と「御結婚御祝」の違いと位置が迷う
• 夫婦や会社の連名で並べ方があやふや
• 中袋の金額の旧字体や筆ペンの濃さが分からない

この記事では、表書き・名前・中袋の書き方を、筆ペン選びから新札の入れ方まで一つずつ整理。図解ポイントとチェックリストで、受付直前でも整え切れます。濃墨で中央に美しく、金額は旧字体で明快に。読み終えた時には、迷いなく差し出せるはずです。

結婚式ご祝儀袋書き方の基本とは？

まずは全体の流れを把握しましょう。要点は、のし・水引・表書き・名前・中袋（氏名住所金額）の5つ。結婚は慶事なので、清書は濃墨で力強くが原則です。

ご祝儀袋の種類とのし水引

のしは慶事の印。結婚は一度きりが望まれるため、水引は結び切り（10本が主流）を選びます。蝶結びは「何度あってもよい」を意味するため結婚では避けます。包む金額に見合う格の袋を選ぶと全体が整います。

表書きの基本（寿と御結婚御祝の使い分け）

上段中央に大きく表書きを記します。結婚では「寿」か「御結婚御祝」。格式ある場でも「寿」は万能で、友人のカジュアルな式でも漢字の格は保って丁寧に書けば大丈夫です。

筆記具と筆ペンの選び方

結婚は慶事なので、濃墨の筆ペンを使います。毛筆が理想ですが、実務では中字〜太字の筆ペンが扱いやすいです。サインペンやボールペンは避け、にじみにくい和紙対応インクを選びましょう。

よくある間違いと注意点

• 蝶結びや水引印刷だけの簡易袋を選ぶ 
• 薄墨で書く（薄墨は弔事用） 
• 金額を旧字体で書かない 
• 氏名が小さすぎる、中心がずれる 
• 中袋の金額と実際の中身が一致しない

薄墨・蝶結び・金額不一致は目立つミスです。最後に必ずチェックしましょう。

結婚式ご祝儀袋書き方：表書きの正しい書き方

表書きは最初に目に入る“顔”。中央・縦書き・余白の均衡が整うと、仕上がりが見違えます。

上書きの文言と位置

「寿」「御結婚御祝」は袋の中央よりやや上に、縦書きで堂々と。下段の氏名より一回り大きく、上下左右の余白が均等になるようにします。払いは伸ばしすぎず、わずかに右上がりを意識します。

名前の書き方（個人夫婦家族）

下段中央にフルネーム。個人は中央に等幅で。夫婦連名は右に夫、左に妻。同姓の場合、夫はフルネーム、妻は下の名前のみでも整います。家族連名は代表者名の左に小さめで縦に並べます。子どもは名前のみで十分です。

連名の順番（夫婦連名会社名上司同僚連名）

• 夫婦：右から夫→妻 
• 友人グループ：年長・役職・五十音のいずれかで統一 
• 会社関係：役職が上の人を右に 

4名以上は代表者名の左下に「他一同」や「有志一同」とし、中袋や別紙に全員の氏名を記載します。

役職や会社名を入れるとき

会社名や部署名は氏名の右肩に小さめに縦書きで。例「株式会社〇〇 営業部」。役職は会社名の後に添えます。長くなる場合は中袋や別紙に回すと体裁がきれいです。

結婚式ご祝儀袋書き方：中袋と中書きのルール

受付で確認されるのは中袋です。読みやすく、抜け漏れなく整えましょう。

中袋の氏名住所金額

• 表面中央に「金 〇〇円」と旧字体で金額 
• 裏面左下に郵便番号、住所、氏名、電話番号 

住所は都道府県から省略せずに。表面に金額欄が印刷されていればそれに従います。

金額の旧字体の書き方

改ざん防止のため旧字体（大字）を使います。

数字	旧字体（大字）
一	壱
二	弐
三	参
五	伍
六	陸
七	漆／柒
八	捌
九	玖
十	拾
百	佰
千	仟
万	萬

例：3万円 → 金 参萬円。5万円 → 金 伍萬円。可能なら「也」を加えて「金 参萬円也」とすると、より改ざんされにくくなります。

中袋がない場合の対処

中袋が付かないタイプは、外袋の裏面左下に住所・氏名・金額をまとめて記載します。金額は表面ではなく裏面へ。別紙に詳細を書いて同封しても問題ありません。

金額と包み方入れ方のマナー

心遣いは新札の用意から伝わります。折れや汚れのない新札は「この日のために準備しました」という気持ちが届きます。

新札の用意と向き

新札は前日までに銀行で両替しておきましょう。急ぎなら平日朝の窓口が確実。両替機は枚数制限に注意してください。

お札の入れ方と向き

• 肖像が上、袋の表面に向くように入れる 
• 複数枚は向きを揃える 
• 偏らないよう均等に重ねる 

慶事は顔を上、弔事は顔を下が基本です。混同しないようにしましょう。

包み方と糊の使い方

外袋は下側の折り返しを上に重ねるのが慶事の折り。封は糊を少量、見えない位置に軽く。シール付きなら水引に干渉しない位置に貼ります。

宛名贈り主パターン別の書き方事例

似ているようで並べ方が少しずつ違います。読み手に迷いが出ない配置を心がけましょう。

夫婦家族での連名

• 夫婦：右に夫、左に妻。同姓なら夫はフルネーム、妻は下の名前のみでもすっきり 
• 家族：代表者名を中央、左に家族名を小さく縦に。子どもは名前のみでOK

友人グループ会社連名

• 友人：年長順・五十音順などで右から左へ。3名まで並列、4名以上は代表者「他一同」 
• 会社：役職順で右が最上位。会社名は小さく氏名の右上に

上司や取引先へのマナー

表書きは「寿」が無難。会社名・部署・役職は略さず、長い肩書は中袋や別紙に整理。上質な和紙の袋や金銀水引を選ぶと、きちんと感が出ます。

以下はイメージしやすいように構成したフィクションの事例です。 

例：課長・主任・担当の3名連名は、右から課長→主任→担当。会社名は各氏名の右肩に小さく添えるか、中袋裏面に一覧でまとめます。

シーン別の表書きと水引の選び方

式のスタイルや関係性で、表書き・水引・袋の格を調整します。

神前式人前式再婚などの表書き

• 神前式・仏前式・教会式：表書きは「寿」または「御結婚御祝」。のしを付けて問題ありません 
• 人前式：カジュアルでも水引は結び切り。表書きは「寿」で幅広く対応 
• 再婚：基本は同じ。蝶結びは避け、結び切りを選ぶ

ご祝儀袋の格の見分け方金額とのバランス

水引の素材、和紙の厚み、金銀の配色、飾り結びの華やかさで格が上がります。包む金額に見合う袋を選ぶと不自然になりません。 

• 2〜3万円：和紙印刷＋標準水引 
• 3〜5万円：厚手和紙＋立体水引 
• 5万円以上：金銀水引や上質和紙、飾り結び

清書のコツと練習方法

直前でも整えられるコツがあります。仕上がりは丁寧さと準備で変わります。

筆ペンの運びと漢字バランス

縦画はやや太く、横画は細めに。起筆はためて、止めと払いを丁寧に。文字間は等間隔、行間はやや広め。中央が見える位置にガイドを置き、表書きは大きく、名前は一回り小さくを意識します。

下書き当て紙失敗時のリカバリー

薄い鉛筆で折り目の中心にごく薄く印を付け、清書後に練り消しでやさしく消します。当て紙を入れるとにじみを抑えられます。書き損じは新しい外袋へ。中袋の書き直しも忘れずに。

直前チェックリスト

• 袋は結び切り・のし付きか 
• 表書きは中央で濃墨か 
• 氏名と連名の順は適切か 
• 中袋の金額と実額は一致しているか 
• 住所氏名電話番号は判読できるか 
• お札は肖像が上で表向きか 
• 糊やシールは最小限、折り順は慶事用か

よくあるQ&A

受付での渡し方

ふくさに包み、受付前で取り出して相手の向きに直し、両手で差し出します。「本日はおめでとうございます。心ばかりですがお納めください」と添えると丁寧です。

書き間違えたとき

外袋は新調して書き直し、中袋も修正。修正液は使いません。無地封と短冊の予備を1セット用意しておくと安心です。

デジタルご祝儀との違い

送金は便利ですが、式場と新郎新婦の方針次第です。紙のご祝儀袋は見た目の華やかさと受付運用の相性が良く、現状は主流。指定がなければ紙で用意しましょう。

まとめ

結婚式のご祝儀袋は、濃墨の表書きを中央上、名前を中央下、金額は旧字体で中袋に書くのが基本です。袋は結び切りを選び、夫婦や会社の連名は右から位の高い順に並べます。四名以上は代表者「他一同」として中袋や別紙に全員の氏名を明記します。新札は肖像が上で表向き、包みは慶事の折り順に。最後にチェックリストで金額や向きを確認すれば、受付で迷うことはありません。一筆ずつ丁寧に整えれば、そのまま祝意として相手に届きます。